空飛ぶ気まぐれ雑記帳

主に趣味とかプログラミングについて扱います。

Visual Studio 2017を試してみた

はじめに

そもそもVisual Studio 2017の正式版がリリースされたのは3/7のことで、リリースノートによるとVisual C++の更新は軽微なもので、CMakeのサポートがメインになっている模様。
実際、ツールチェーンのバージョンも141とVisual C++14のマイナーアップデートにあたるらしい。
個人の開発だとC++しか使わない私としては、あまり代わり映えしない内容では有るが、一応実際に使った雑感について述べていく。

www.visualstudio.com

主要な新機能

概要

主要な新機能は下記の通り。
IDE全体で見ると結構変更点もあるんだなと思います。
あ、あくまでも、C++er視点なので、それ以外の変更点は山ほどあると思いますが悪しからず。

  • Light Weight Solution Load
  • CMakeのサポート
  • Linuxを対象としたビルド

Light Weight Solution Load

Light Weight Solution Loadとは、その名の通り高速なSolution読み込み機能のことで、Solution読み込み時に全てのファイルの読み込みおよびInteli Senseによる解析を行わず、ユーザが開いたファイルなどを優先的に行うそうです。
これにより、これまで膨大な数のプロジェクトを読み込む際にかなり長い時間を待たされていたのですが、それがマシになる機能です。
実際に79プロジェクトから構成されるSolutionを読み込んで見ましたが、体感で3倍程でしょうか。
本当に早いです。

blogs.msdn.microsoft.com

しかし、この機能はデフォルトではSolution毎に右クリックで表示されるメニューからEnableする必要があります。
これを全てのSolutionに対して有効にする場合、Tools>Options>Projects and Solutions>General の順に選択し、ページ下部のLightweight Solution loadのチェックボックスをチェックすれば良いそうです。

CMakeのサポート

「フォルダを開く」機能が追加されており、CMakeLists.txtを配置することで、Visual Studioが自動で他のディレクトリ(AppData配下に)を作ってCMakeを実行してくれるようになりました。
これにより、従来一度他のエディタでCMakeLists.txtを書いてから、CMakeを実行して、やっとVisual Studioからファイルの編集を行うことができる。というよう感じだったのが、Visual Studioのみで完結してCMakeを用いたプロジェクトを構築できるようになりました。

marketplace.visualstudio.com

また、CMakeSettins.jsonという名前のファイルを配置することで、Visual Studioのバージョン、ビルド対象のアーキテクチャ毎に個別に詳細なオプションを設定することができるようなっています。

ただ、追加されたばかりの機能というだけあって、不満なところが結構あります。
まず、補完機能についてです。IDEなので補完機能も一応付いていますが、CMake tools for Visual Studioに比べても若干貧弱かなと思う所があります。
つぎに、CMakeの内部バージョンについてです。Visual Studioが呼び出すCMakeはVisual Studioが内包しているバイナリなのですがそのバージョンが3.6.0となっている点です。現在、CMakeの最新バージョンが3.8.0なので、それ比べると2バージョン前で若干古いですね。まあcontinue文がサポートされているバージョンなのでまだましかも知れませんが。
そして、最後にCMakeが実行されるタイミングについてです。CMakeが実行されるタイミングはフォルダ配下のCMakeに関係するファイル(CMakeLists.txtだけでなくソース中でincludeされているファイルも含まれている模様)を保存した際に毎回実行されるため、複数のCMakeに関係するファイルを変更する場合、毎回CMakeを実行する必要があって結構厄介です。

Linuxを対象としたビルド

つまるところVisual GDBのような機能が実装されているらしく、これで有料のVisual GDBを買う必要は無いなーって話ですかね。
現状稼働していLinux PCがないので、動作確認はしていませんが、どうなんですかね?
また試したら記事を書こうと思います。